Planar vs Nokton 長野産独逸対決

 レンズ沼まっさかりの時に撮り比べた Planar 1.4/50 と Nokton 1.4/58 の比較が出てきましたので供養回です。至近距離での中央 (からはやや離れているが……) の解像を見ております。Planar と言っても標準レンズの帝王こと京都産 CONTAX Planar ではなく Cosina の一眼レフ用 Planar です。Nokton は外観が Nikkor Auto みたいになりましたがどちらもまだぎりぎり新品が入手可能で、中古もだいぶ弾数が復活してきたところですのでぽちろうかぽちるまいか検討している方がいればご参考ください。

 最近の Cosina は小口径高性能レンズの Apo-Skopar (!) や Apo-Ultron (!!!) を怒涛のように出してきていてマジで好みすぎて好感しかありません。好きすぎて好々爺になったわ。こういうのでいい、いやこういうのがいいんだよ、こういうのが。時代はスローライフ、レンズもスローがいいのです。小さいくせにやたらよく写る、中古で全然出てこない Color-Skopar 2.8/28 がしれっと復活したのもかなりの好ポイント。これで SL II N の頃の見た目だったら 100 点満点中 100 万点だったのだが……。いかん、また脱線した。

Planar 1.4/50, f/1.4, view original
Planar 1.4/50, f/2, view original
Planar 1.4/50, f/2.8, view original
Planar 1.4/50, f/5.6, view original

 気を取り直してまずは Planar から。ほぼ最短撮影距離で上から開放 f/1.4、f/2、f/2.8、f/5.6 です。Planar は近接~中距離くらいまで収差のためハロが出やすくピント合わせが少々大変で、最短かつ開放で撮るとこれピントあってるのか?と思ってしまうほどふわついていますが、遠景などを撮るとこれがどうしてなかなかだった記憶があります。MP50 (Makro-Planar 2/50) はハーフマクロだけあって真逆の性格で近距離はいいけど遠景はふーんといった感じのようなので、この辺うまく作り分けられているようです。

Nokton 1.4/58, f/1.4, view original
Nokton 1.4/58, f/2, view original
Nokton 1.4/58, f/2.8, view original
Nokton 1.4/58, f/5.6, view original

 同じ位置から Nokton で、絞り同じ順です。Nokton は Planar に比べるとだいぶ素直で開放から普通に使えて距離にも絞りにもさほど大きな影響を受けず安定しておりまして、細かいことを気にせず気軽に使える良さがあります。しかしながら Nokton は屋外で金属っぽい素材を撮るとパープルフリンジが盛大に出たり、光源の位置によってはかなりフレアっぽくなってしまうなどの弱点もあったりします。フリンジ嫌いすぎるので絶対許せないマンですが、それはともかくフレアやゴーストは味と思える大らかさが必要かもしれません。


 解像力チャートは例えば OpticalLimits で Canon マウントの PlanarNokton を見れば直接比較が可能です (光学系はキヤノン用もニコン用も同じ)。こうして並べて見るとやはり Nokton のほうが良く解像していることがわかりますが、中央は意外と Planar も健闘しているというかむしろ思っていたほど悪くないようです。芯は出ているけど収差が残っているので実感としてはふわふわした感じになってしまうということなのでしょうかね。Nokton でポートレートを撮るとしっとりとした感じで良くハマることが多くて好きだったのですが、Planar でもピントさえ合わせられれば良い画が撮れそうです。ピントさえ合わせられれば……(目が悪い)。


 実写がどんなもんかについては PY の ここここ でプロの犯行を見ていただいたほうが良いかと思いますが、以下に拙作も置いておきますのでご笑覧ください。


Planar 1.4/50 Album
Zeiss Planar 1.4/50


Nokton 1.4/58 Album
Voigtländer Nokton 58/1.4