フイルムの誘惑

 えーと、買っちゃいました。


EFX_8762.jpg


 この流れるようにスムーズなフイルム沼への入水過程を事細かに前書きしようかと思ったのですが、あまりに長すぎたので物好きな人はこちらから *1 *2。キュートでかわいいこちらのニコン FM、某オークションでジャンク扱い?のショック品をタダ同然で仕入れる事ができたのでホクホクです。カビもなくファインダーもモルトもきれいで傷も少なく、唯一巻き戻しクランクのあたりががっつりへこんでるとのことだったので隙間から光でも漏れるのかと思いましたが、マスキングテープ貼っといたら今のところ大丈夫そう。そのうち板金してあげたい。


FH000005.jpg


 試し撮り用にとりあえず万能そうな ISO 400 のカラーネガを入れてうきうきしながら出かけたわけですが、この Kodak Ultramax 400 は後から知ったところでは青の発色にえらい癖があるらしく、ご覧のように日陰はまあ青く染まる染まる。カンカン照りだったので空も入れた写真はあまり撮らなかったのですが、ちょっともったいなかったかも。


FH000015.jpg


 これまた後から気づいたのですが FM はシャッタースピード上限が 1/1000 でして、昼間のこういうシーンに ISO 400 のフイルムを入れていたりするとまあつらいわけです。FM2 が出た時に上限が 1/4000 まで引き上げられたのは結構センセーショナルな事件だったらしい。


FH000020.jpg


 定番の(?)いじわる逆光テスト。フイルムはこういう雰囲気の写真によく合う気がしてる。フレアっぽいのがノスタルジックさを想起させるからかな。ゴーストが出ないのはさすが現代のレンズといったところ。


FH000033.jpg
FH000032.jpg


 フイルムによく合う気がするロケーションその 2。当たり前っちゃ当たり前なのですがフイルムなのでカラーフリンジが出ない訳です。これはすごいことだ。


FH000002.jpg


 たまにこんな本当の意味での失敗写真が撮れていたりするのも、まあ今の時代にあえてフイルムを使う身としては許せてしまうのも不思議なところ(毎回は困りますけど)。巻き上げレバーをバネの勢いで雑に戻すとこういう巻き上げ不良が起こりやすいようで、指を添えて丁寧に戻してあげてね、とのことでした。


DSC_0104-01-01


 おまけ。シルバーのボディにシルバーのレンズ、最高に似合っている。さて、次はどんなフイルムを詰めて出かけようか。


*1:ちょっと前にフイルムカメラ欲しいけど我慢してえらい!みたいなこと書いたのですが、最終的に我慢するどころか物欲にまみれるいつものパターンでまったくえらくなかった。われわれはかしこくないので。でもお財布へのダメージは最小限に食い止めた。かしこい。そもそもの発端として実家で埃をかぶっていた中判カメラを発掘しまして、これが磨いたらそこそこきれいになっちゃったり快調動作しちゃったりしたもんですっかりフイルム撮影が気に入ってしまいました。このへんの話はまたそのうち。しかし中判はブローニーのデジタル化に大層お金かかるわ(さらに長くなったので下の *2 を見て……)カメラがデカいわそもそも撮るのが大変だわで、もっとお気軽にフイルム遊びできるカメラを→じゃあライカ判でしょうという脳内会議を経て、同じくなぜか実家で埃をかぶっていた(しかも奇跡的にダンパーがべたついてない美品の)キヤノン EOS 100QD を発掘するも、手持ちのレンズの流用を考えるとアダプタ経由で絞りが連動しない絞り込み測光はさすがにダルすぎ、目には目を、F マウントレンズには F マウントボディをということで実に長い遠回りをして振出しに戻ってきた末のこのチョイス。ミーハーなので本当は New FM2/T が欲しかったのですが。高いし。すぐ傷つきそうだし。でもチタン製って響きだけでもうかっこよくてずるい。そしてさらなる沼へ……。

*2:ブローニーのデジタル化は、例えば近所のキタムラ経由で外部委託すると 120 フイルムを 2400 万画素相当 64 ベースでスキャンしてもらうと 381 円/コマ、6×4.5 のセミ版 16 枚撮りとして 6,096 円/シート……。600 万画素相当 16 ベースでよければ 1,238 円/シートでやってくれるようですが、まあせっかく中判で撮ったんならねという。自前でやることを考えるとライカ判ならカメラで簡単にデュープできるニコン純正のデジタイズアダプターがあるのでそのうち買おうかと思ってますが、中判以上の複写装置ってさすがにあんまりないみたいで、PB-4 ベローズにつけられる PS-4 スライドコピーアダプタもライカ判までの対応。ペンタックスから 6×9 のブローニー判まで対応するフイルムデュプリケータがなんと新品で手に入りますが、10 万円超とおいそれとは手が出ないお値段。手をこまねいているとそのうち消えてしまいそうなので、手に入れられるうちに手に入れたいところではありますが……。ところでリバースマクロでもいいですが、せっかく複写するならマクロレンズが欲しいですね? ベローズに載せて使うマクロレンズと言えば……(APO-)EL、PRINTING、そして MACRO……魅惑の NIKKOR レンズ沼が……ツァイス信者としては Luminar、S-Orthoplanar なども気になりますが明らかにオーバースペック……嗚呼……(記録はここで途切れている)